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2023.09.23 11:30|日々のこと
農業から足を洗って丸一年が過ぎようとしています。
当初はこんなに長く離れることになるとは思っておらず、半年かそこいらでシレっと復帰するつもりでした。
それが気づけばもう一年・・・。

去る者日々に疎しと言いますが、私が抜けた穴も時間の経過とともに埋まりつつあり、
私自身の生活サイクルも安定してきて、このまま農業から遠ざかっていくのかなという気がしています。
夢の中でも畑仕事をしていた位農業ひと筋だった私が、家庭菜園で細々と土と繋がっている現状に
まったく淋しさを感じないかと言えば嘘になりますが、物事は常に変化していくものですからね。
流れに身を任せ、しばらくは気楽に野菜作りを楽しみたいと思っています。

農業から離れてみて、自分で思っていた以上に体に負担がかかっていたことに気付きました。
まず、小ネギの皮むきで酷使していた指の関節痛がおさまり、毎朝のシップとテーピングが要らなくなりました。
長年悩まされてきた職業病とも言える腰と膝、肩の痛みも気にならない程度におさまり・・・。

と、良いことずくめの中でも一番は慢性的な寝不足が解消されたこと。
夏と言わず冬と言わず4時起床が至上命題であった百姓時代。
元々睡眠の質が良くない私には大変な努力が必要でした。まだ寝たいと訴える体を無理やり布団から引きはがす辛さと言ったら。
今は自然と目覚める時間までゆっくり寝ています。朝一人で食事をする夫には申し訳ない気持ちもありますが、
更年期とこれまでの頑張りに免じて許してもらっています。

身体的なプラス面に加えて、夫婦関係でも良い変化がありました。
それは喧嘩が劇的に減ったこと。

自営業で夫婦が一緒に働くのは大変な事も多いです。
四六時中顔を付き合わせているわけですから、互いに遠慮がなくなってぶつかる場面も多いのに、
否でも応でも関わらないわけにはいきません。上手くいっている時はいいけども、そうでない時は苦行です。
そんな時、サラリーマン家庭の奥様が羨ましいと思う事もありました。

逆に良いところは、お互いに相手の働いている姿を目の当たりにすることで感謝の念が湧いてくること。
一人では乗越えるのが難しい困難に直面しても、二人なら何とかなると思えること。
そしてそれを乗越えることができた時に、より一層絆が深まることでしょうか。

もうひとつ挙げるとすれば、妻が夫の仕事を理解できている事の利点ですね。
うちの夫は自己完結型と言いますか、家庭内で愚痴をこぼしたり相談事を持ちかけることは滅多にないものの、
悩み事がありそうな風情を漂わす事が時折見られます。

そういう時には夫が食いつきそうな餌を会話の中に混ぜ込み、用心深く夫の心にある懸念を探り出し、
助言できることがあれば押しつけがましくない程度に伝えるようにしています。

男というのはどこまでもプライドの高い生き物らしいので、この場合もあくまでさりげなく、が肝要なのです。
2023.09.18 14:13|日々のこと
妹が遊びに来た。
今度の家に越してから初めてである。
長崎から我が家まで200㎞。高速慣れしていない私から見ればおっかない道のりに思えるけれども、
一人でヒョイヒョイどこにでも出かける妹にとっちゃ大した距離ではないらしい。

昨日の西九州地方は線状降水帯が発生し、朝っぱらから横殴りの雨。
こんな天気で無事来られるのだろうかと気を揉みながら横になっていたら、知らぬ間に寝てしまった。
タイヤが砂利を踏みしめる音で目が覚め、慌てて飛び起き迎えに出る。
車を降りた妹が開口一番「めちゃくちゃ田舎ねぇ。来る途中誰にも会わんかったよ」と。

雨は小雨に変わっていた。かんころ餅やらかんぼこ、行列ができる店のパンと、
律儀な妹は毎回私の好みを考えた美味しいお土産を抱えてくる。誰に似たのか、まっことできた奴である。

ひと息つき、昼食は美味しいと評判の地元のトラットリアへ。

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海に面したこの町では新鮮な魚料理も売りのひとつだ。こちらの前菜も秋に向かって脂がのってくるサワラを使った一品。
スープもパスタも美味しかったけれど、〆のデザートが最高だった。
ぶどうのジュレ、ライチのソルベ、紫芋と豆乳のムース、マロンケーキ。口福なり。

普段の外食では洋食が苦手な夫の好みを優先しているから、こういう時にしか洋食を頂く機会がない。
近くにはたくさんの名店があるんだし、こういうお店にもっと行きたいんだけどな・・・。
私の密かな楽しみは、寝る前のグーグルマップ探索。脳内でいつか訪れたい食べ物屋さんやお菓子屋さんを
はしごしてまわり、幸せな気分で眠りにつくのである。

さて、美味しいイタリア料理を満喫した後は近所の神社を散策して腹ごなし。
この辺りのパワースポットを下調べしてきたという妹のお目当ては1,800年の歴史を持つ高倉神社。
私は今年の初詣以来2度目の訪問である。大変由緒ある神社にもかかわらず、いつ来ても閑散としていて
巨大なご神木が林立する静かな境内を歩いていると気持ちが平らかになってくる。
うん、確かにパワースポットだな、ここは。

惜しむらくはあちこちにパタパタはためく北斗の拳の幟。
神社という神聖な場にそぐわず残念だった。

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高倉神社の楠と杉の巨大なご神木群。静寂の中耳を澄ましていると、木霊が降りてくるような気がしてくる。

前の家が宮地嶽神社の近くで時々訪れていたのだが、あちらが年間を通してイベントが目白押しで
いつ行っても人が多かったのとは対照的だ。宮地嶽神社が1,700年だから歴史の長さは変わらないのに、
知名度も集客力も差があるのは何故だろう。個人的には神社が商売っ気を出しすぎるのはどうかと思うので、
高倉神社にはこのまま知る人ぞ知る存在であり続けて欲しい。

夕方5時過ぎに妹は帰っていった。
次は甥や姪も一緒に、お酒でも飲みながらゆっくり語らいたいものである。
2023.09.15 15:10|日々のこと
私は外面が良く、周りから良い人と思われたい欲求も尋常ならざるものがあるため、
表面的な付き合いに収まっているうちは”良い人”と思われやすいタイプである。

私の対極にあるのが我が夫で、相手が誰であろうと自分の言いたいことをはっきりと言う。
これを言ったら相手が気を悪くしまいかとか、嫌われたらどうしようなんて雑念は露ほども浮かばないらしい。
そのような性格ゆえ周りと衝突することもあるけれど、裏表のなさを好ましく思って親しくしてくれる人も多い。

実際、極力周囲と軋轢を生まないよう日々神経をすり減らしている私を差し置いて、
自分の言いたい事をズケズケ言う夫の方が人気者なのである。
今なら鯉のぼりみたいに風通しの良い人間に自然と人が集まるのも理解できるのに、以前の私はこの事に釈然としない思いを抱えていた。
たぶん、自分の方が夫よりも他人を慮れる良い人だとの奢り(と言うより勘違い)があったのだと思う。

ある時、自分の中の”良い人”の概念を揺るがす出来事があった。
あるところに、傍若無人なふるまいで地域から浮いているご家族がいた。
ある日のこと、そのご家族について地域の長老の方と話をしていたところ、
そちらの奥さんについて長老が、

〇〇さんは、常識はないけど人間は悪くない、と仰ったのである。

その矛盾に満ちた言葉は私を混乱させるに十分だった。
非常識だけどいい人とはこれ如何に。良い人に常識は必須アイテムではないのか。
非常識でもいい人認定されるんなら、今までの自分の苦労は何だったんだ
他人様に後ろ指をさされないよう、言いたいことを吞み込み、謂れのない誹謗にも耐え、
身も細る思いで生きてきた自分はバカみたいじゃないかと。

あれ以来、”非常識だけどいい人”なるフレーズが頭から離れない。
自分がこれまで目指してきたいい人の方向性は間違っていたのではないか、
”非常識だけどいい人”こそ私が目指すべき姿なのではないかという思いがぬぐえないのである。

夫にしても〇〇さんにしても、根源的に人の好さがある。
この二人が良い行いをする時には純粋にその人のことを思ってやっているんだろうなと思える。

翻って自分の行いを省みた時、果たしてそう言えるかどうか。
良い人には思われたいし善人ぶるのも得意だが、一切の邪念を排して他人のために行動できる自信がない。
私の場合、良い人に思われたいという利己の感情がせっかくの善行を曇らせてしまうのだ。

不寛容でいらちな本来の自分のままにふるまえば一番楽だろうなと思う。しかし善人ぽい振る舞いは、
傷つきやすい心を面倒事から守るため止むにやまれず身に付けた私の処世術だ。
であるから、やーめた❢と簡単にやめられるものではない。

あぁ、心は千々に乱れる。
善人への道はかくも遠かりき。
2023.09.14 13:03|日々のこと
私が車の免許を取得したのはちょうど15年前の今頃、37歳の時です。
福岡に越してきて4年目、転職や引っ越し等のタイミングが重なった私にとっては絶好のタイミングでした。

長崎に住んでいたころは、車の必要性を感じていませんでした。
駐車場代が大都会並みに高く、車を横付けできる家が少ない長崎では車を持たない人はそんなに珍しくありません。
路線バスとチンチン電車、あとは自分の足と自転車でたいていの場所に行けるからそんなに不便も感じなかったんです。

実家を出て10年ほど浜の町近辺で一人暮らしをしていたんですけども、周辺の街探索が楽しくて休みのたびに出歩いていました。
車も入らないような狭い路地に思いがけず素敵なお店を発見したり、古い洋館が突然目の前に現れたりと、
歩いてさらく(長崎弁でぶらぶら歩くの意)方が、長崎の町の魅力を体感できるんじゃないかなと思います。
全国くまなく歩いたわけではありませんが、地元民が歩いてワクワクする町ってそうそうないんじゃないでしょうか。

徒歩で市場に買い物に行っていた生活から、引越し後は車がないと何事も不便な生活に一変。
それでも最初の2~3年は、頑張ってマウンテンバイクにリュック背負って出かけてたんですよ。
でも長崎で出歩くのとは気分的にまったく違うんですよね。買い物に行くのも巨大なショッピングセンター中心で、
道中寄り道してお店を見つける楽しみもなくなり、段々と免許取得に気持ちが傾いていきました。

しかしなんだかんだ、免許を取って良かったです。車を走らせるのがこんなに楽しいなんて想像もしていませんでした。
人一倍そそっかしい性質ゆえ、車を運転することに一番不安を感じていたのは他ならぬ私自身だったのですが、
15年間ハンドルを握らない日はない生活でも今のところ無事故です(違反は3度ほどありますが・・・)。

街歩きの楽しみとは縁遠くなったものの、車で遠出して初めての風景に出会う事に別の喜びを見出しています。
問題は、あれだけ自分の体を使って移動していたのに、今では近くのコンビニにも車を出す体たらくになってしまったこと。
自慢の健脚が見る影もなく衰えてしまいました。トホホ・・・。
2023.09.03 10:49|日々のこと
半年ぶりに月のものが訪れました。
10日ほど前からPMSの症状が出ていたので心の準備はしていたのです。

そうしたら昨日来訪がありました。
こんな感じで忘れた頃にやってきて、いつの間にかフェードアウトするんでしょうね。
かかりつけ医の先生によると、出血はあっても排卵は行われていないはずだから、生理ではないそうです。

PMS(月経前症候群)と月経痛の出方は個人差が大きく、中には入院するほど重症の人もいます。
私の場合は月経痛よりPMSが悩みの種で、乳房の張りと痛み、便秘、腰痛、イライラ、眠気、
無性に甘いものが欲しくなる等の症状がドバッと顕れます。中でも持て余したのが生理直前のイライラ。
これは体の奥から突き上げてくるような強烈な衝動で、私生活にも支障を来すほどの厄介な症状です。

PMSが2週間で生理が一週間とすると、女性が何の憂いもなく快適に過ごせるのはひと月のうち一週間余り。
生理から解放されても今度は更年期と、人生の多くの時間を女性ホルモンに振り回されるのが女という生き物です。

月経困難症を伴う重症のPMSには保険が適用されるようになり、病気の一種だとの認識が広まりつつあります。
これまではどんなに体が辛くても生理痛やPMSで仕事を休むなんて言語道断!みたいな風潮がありましたけども、
社会の理解が進んで女性が我慢をせずに済むようになったのは喜ばしいことです。

その一方で、日本が誇る生理休暇制度は申請のし辛さからか取得率は年々下がり、今や1%未満。
つわり、生理、更年期といった症状は病気ではないのだから我慢してしかるべき、
という旧態依然の考えも、一部の年代ではまだ根強い気がします。

女性がどうして生理前に神経過敏になるのかの理由を知るだけでも男女の溝は多少埋まると思うんですが、
そういう事に関心のある男性って少数派ですよね。ま、お互い様といえばそうなんですけども。

こういう事に限らず、男と女がわかり合えるなんて所詮幻想だ、男と女はどうしたって合わないんだと感じることは多いです。
しかし、違う生き物なんだからわかり合えなくて当然という前提に立ち、互いを理解しようと努めることが
男女に限らず大切なのだと感じる今日この頃です。

男と女の間に横たわる、深くて暗い川が埋まる、或いは浅くなる日は永遠に来ないでしょう。
けれども、それをわかった上で橋を架け続けることが大切なのです。時にはせっかく築いた橋が濁流で流されたり、
完成間近で壊れることもあるでしょうが、諦めずに橋をかけ続けましょう。それが男女の違いを乗越える唯一の策です。
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nonogu

Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

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