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2020.06.18 22:20|好きなこと
高野和明の一連の作品を読み終えて、今はまた横山秀夫作品に戻っている。
横山秀夫は新聞記者時代の警察回りの経験を生かした警察小説がやはり面白い。
警察小説以外では、一番最初に手に取った横山作品である『クライマーズ・ハイ』、人間魚雷”回天”を
題材にした『出口のない海』を読んだけれど、『出口のない海』は辛すぎて途中で読むのを止めてしまった。

『フェイス』は婦警が主人公。それも、目撃者の口述を元に容疑者の似顔絵を描く婦警の話。
主人公が名探偵並みに勘が鋭く、古参の刑事をも凌ぐ洞察力で犯人を言い当てる・・・という筋は
少し現実離れしているかなと感じつつ、典型的な男社会の警察の中で自分達の居場所を見つけようと
必死にもがく婦警達の奮闘ぶりはストレートに心に響いた。

そうなんだよなぁ、日本の社会では男女同権はあくまで建前であり、男は女性の活躍を手放しで
歓迎しない風潮がいまだに根強い。警察ともなれば特に、腕力や体力がものを言うから仕方が無いんだろうけど。

そういえば、過去に現役の警察官と元刑事がうちに研修に来ていたことがある。
現役の方はでっぷりと太った警察官で、ちょっと農業は無理だろうという感じ。案の定数回で来なくなった。
もう一人はマトリ(麻薬取り締まり)の刑事を辞めたという20代の若者だった。東日本大震災の直後で、
東北からのボランティア帰りということだったが、コンビニを経営する友人のお父さんが自殺してしまって友人が
困っているから、そちらを手伝いたいと辞めていった。正義感が強く、人助けが生きがいみたいな若者だった。
警察官を志したのもその性格故だろう。

自動車教習所のイケメン講師T君も、派遣先のスポーツマン技術者Y君も、警察官採用試験に合格し、
子供の頃からの憧れである警察官になるための一歩を踏み出していった。夢はおまわりさん!という男の子、
多いんだろうな。

最近の子供達はどうだろうか。刑事物のドラマが減り、憧れの対象としての警察官像を抱きにくく
なっているのではないだろうか。時々不祥事を起こしたりもするけれど、やはり地域のおまわりさんは
頼りになる存在なのである。日頃接点のない刑事さんなども、人知れず過酷な現場で日夜職務にあたられているだろう。

復元納棺師の笹原留似子さんの著書、『おもかげ復元師』の中に”警察の方に感謝を”という項目がある。
縊死や飛び降り、または交通事故などの特殊遺体と呼ばれる損傷の激しいご遺体を、最初に処置するのは
警察の人達であること。遺族とそういうご遺体との対面の傍らには、必ず警察の方が付き添い、
ご遺族のショックを和らげようと心を砕いている方も多いこと。

著者が遺体を復元するのを目をウルウルさせて見守りながら、『ぼくもその処置を覚えて、
ご家族のもとに帰してあげたい』とおっしゃるやさしくて情の深い刑事さんが、とても多いです、と。

警察の安置室は、実はプロとして日々闘う方々のオーラと、いたわりの心と、やさしさがあたたかく
包み込んでいる場所です。本当に本当に、いつもありがとうございます、警察のみなさん。

という結びの文章を、私は目から鱗が落ちる思いで読んだのである。

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Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

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