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2020.07.06 22:20|日々のこと
先日NHKのラジオで、作家の村山由佳さんのインタビューを流していた。
恋愛小説の旗手であり、直木賞受賞作『ダブルファンタジー』では女性の性愛を赤裸々に描いて高く評価された、らしい。
らしいというのは、私は恋愛小説とやらが苦手で、特に女性目線で書かれた作品は読みにくくて仕方がないのである。
ましてや自伝的官能小説となれば、他人の臥所をのぞき見するようなものではないか。とても読む気にならない。

愛だの恋だのと浮かれていた若い頃には、小池真理子や森瑤子(古ッ!)なども読んではみたけれど、
やはりダメだった。恋愛ものが苦手というより、女性作家の小説自体にあまり食指が動かないのである。

男性作家の作品が並ぶ私の本棚で異彩を放つのが桐野夏生だけれど、この人の文体は非常に男っぽいのだ。
同じミステリー畑の女性作家、宮部みゆきや湊かなえとは、作品中の伏線の数からして桁違いである。
男女の書き手の違いは、何となくだが細部へのこだわり方に現れているような気がする。男の方がディティールに
とことんこだわり、女性はその辺が甘い感じ。好みだけれども、私は男性作家の方が面白い。

さて。村山由佳さんといえば私の中では、料理雑誌『Tanto』の連載のイメージしかなかった。
鴨川のほとりで野菜を作りながら、のどかな生活を送る新進作家、という・・・。それが久しぶりに『クロワッサン』の
『着物の時間』で拝見した村山さんは、かつての素朴さは影を潜め、極妻風の貫禄が漂うあだっぽい女性になっていた。

離婚されたときき、おそらく自分を生まれ変わらせるような男性との出会いがあったのだろうと思った。
この二度目の夫ともすでに離婚されて久しく、今は新たなパートナーがいる様子。根っからの恋愛体質で、
人を好きになるときは後先考えないとのこと。宇野千代しかり、瀬戸内寂聴しかり。汲めども尽きぬ泉のように
沸々と沸き上がる情熱を恋愛に注ぎ込み、その体験を血肉に変え、作品へと昇華させる。小説家に限らず、
物作りに携わる人ってそういうもんなんだろうと思う。

105歳で亡くなるまで、源氏物語絵巻の世界を西陣織の帯で表現すべく創作活動を続けた織匠、
山口伊太郎さんがかつてサライインタービューでこう仰っていた。

-いい織元にになるには、何が大切ですか。

女性への恋心やね。美しい人を見ては、”ああ、この人にはどんな帯が似合うやろか。こんな織物着せたら
きれいやろな”とか。頭の中で始終あれこれ想像しますのや。ものを作る男には色香がないと。嫁はんの
ことばっかり気にしてるようでは、あきまへんな(笑)。

2020.07.06 17:52|日々のこと
ついさっき、添田町を流れる遠賀川水系の彦山川が氾濫したとの速報が入ってきた。
先日直方市を訪れたときに初めて見た遠賀川と彦山川は、広々とした河川敷の中を悠々と流れる
穏やかな姿を見せていた。様々な恵みを与えてくれる川が、人や家を飲み込む怪物と化す恐ろしさ。
熊本の出来事が昨日の今日である。もう一人の犠牲者も出して欲しくない。

近年甚大な豪雨災害をもたらしている線状降水帯という用語自体、まったく耳新しい言葉である。
50年に一度の大雨が毎年くる、なんて冗談みたいなホントの話が起きていて、過去の気象データの類いが
もう参考にならないのではないかと思わせる。それだけ劇的に地球環境が変化しつつあるということだろう。

毎年のように豪雨災害に遭っている九州地方。どの災害がいつのものだったか確とは思い出せない。
当地でも朝からずっと大雨である。ハウスのツゥタンとマイケルは雨の勢いに恐れをなし、
ハウスのネギの陰に身を潜め、すっかり怯えた様子だった。心細いなら一緒にいれば?と思うが、
まだお互いに気を許していないのだろう、それぞれ別のハウスに逃げ込んでいた。

今し方、『おもかげ復元師』を読み終えたばかりで、津波の犠牲者のご遺体復元の克明な描写に
涙が止まらなかった。濁流に呑まれた人間の体は、水中で木の葉のように翻弄され様々な傷を負う。
そのままの状態で対面された場合、生前とあまりに違う変わり果てた姿に、ご遺族は肉親の死を
現実のものとして受け入れることが難しくなってしまうという。

『可能な限りご家族の記憶にあるお顔に戻してあげたい。
そして思う存分故人に触れ、語りかけ、抱きしめてあげてほしい』

という一心で無償により取り組まれたそうである。

亡くなったおひとりおひとりに家族があり、生きてきた歴史がある。
犠牲者の数の数倍、数十倍の表には出てこない悲しみがある。
だから、これ以上一人の犠牲者も出して欲しくない。
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Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

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