FC2ブログ
2023.08.31 22:49|日々のこと
近頃、死について考える時間が増えました。
昨年末に義母、今年の春に愛猫タマと実父と、身近な存在を相次いで亡くしたせいもしれません。

義母と父の死に目には会えませんでしたが、タマは2ヶ月間の介護の末看取ることができました。
生後二か月で保護してから14歳で旅立つまで共に過ごした愛猫は、命の尽きる間際まで飼い主への愛情を
精一杯示しつつ、生き物が命を終えるまでの道程を身をもって教えてくれたような気がしています。
死に際して抗わず淡々と受け入れる。この一点に於いて人間は動物にかないません。彼らからは教えられることばかりです。

昔から私は自分が長生きしないような漠然とした不安がありました。
体も丈夫ではありませんでしたし、何より心の弱さが自分の寿命を短くするのではないかという危惧がありました。
死ぬとすればたぶん、消化器系もしくは婦人科系のガンだろうとも。
人生は苦しきことのみ多かりき、という諦念が常に私の心に暗い影を落としていました。

この年になって別の諦めの境地に至ったというか、若い時ほど苦悩しなくなりました。
人生の残り時間が少なくなるにつれ生への執着が増してきたということなのかもしれません。
それと、いくつかの本との出会いも大きかったです。それまでは得体の知れない存在であった死の正体が
これらの本を読んで少し掴めたような気がして、病と死への恐怖がいくぶん薄れたように思えたのです。

IMG20230831213702.jpg IMG20230827104922.jpg
(左)もう何度読み返したかわからない医療ミステリー「サイレント・ブレス」。副題に「看取りのカルテ」とあるように
主人公は回復の見込めない末期の患者専門の訪問看護クリニックに勤める女医。乳がん患者、膵臓がん患者、
脳梗塞で7年間植物状態の患者等の看取りを通して、真によりよき死とはどういうものかを問いかけます。

著者は現役の終末期医療の専門医なので内容は非常にリアルながら、女性らしい繊細な描写で抵抗なく読み進められます。
印象に残る場面は多々ありますが、病気を治せない医師に存在価値はあるのか?と苦悩する主人公に向けた
上司の医師の言葉がとりわけ深く心に刺さりました。

医者には、死ぬ患者に関心のある医者と、そうでない医者の二種類がある。医師にとって死ぬ患者は負けだ。
だから嫌なもんだよ。でも、人は必ず死ぬ。今の僕らには負けを負けと思わない医師が必要なんだよ。
死ぬ患者も、愛してあげようよ。治すことしか考えない医師は治らないと知った瞬間、その患者に関心を失う。
だけど患者を放り出すわけにもいかないから、中途半端な治療を続けて、結局、病院のベッドで苦しめるばかりになる。
これって、患者にとっても家族にとっても、本当に不幸なことだよね。

患者が置き去りにされがちな現代の医療の問題がこの台詞に集約されているような・・・。
医療教育の抜本的な見直しが必要な時期にきているのかもしれませんね。

(右)ジャーナリスト柳田邦男による、精神科医・前川喜作氏がガンで亡くなるまでの軌跡を克明に追ったドキュメンタリー。
ガンの宣告から幾度かの転移を経て、西川医師は絶望の淵に落とされながら最終的には死を受容する境地に至ります。
自分の闘病を通して、死に向かう患者にとってのよりよい看護と医療すなわち死の医学=死学とでも
呼ぶべき分野の礎となるべく奮闘するのです。西川医師の生き様に心打たれます。

いかに死ぬかを考える事は、とりもなおさずいかに生きるかを考えることだと二冊の本は説きます。
もし私が病を得て死から逃れられなくなった時、この2冊の本は必ずや道しるべとなってくれるでしょう。
2023.08.29 13:53|料理とパン、お菓子
キュウリを炒めると思われるかもしれませんが、これが結構おいしいんです。

食彩浪漫で紹介されていたジュディ・オングさんのお母様のレシピなので台湾風ということになりますけど、
そこは家庭料理ですから、材料はキュウリと牛肉のみ、味付けは醤油、砂糖、塩というシンプルさ。

調理もとっても簡単で、下味(醤油、砂糖、塩、サラダ油、片栗粉少々)をもみこんだ牛肉を炒め、
色が変わったら5ミリ厚さに切ったキュウリを加えてさっと炒めて醤油、砂糖、塩で調味すればできあがり。
生の食感が残るキュウリに牛肉の脂とうまみが絡んでしみじみ美味しい料理です。

今年は家庭菜園のキュウリが豊作で、漬物、あえもの、サラダにと大活躍。
ほとんど毎日食べている中で、唯一火を通す料理がこれです。
今回は焼肉の残りの上等なカルビ肉を使ったので高級な味に仕上がりました。

IMG20230828185356.jpg IMG20230828120041.jpg
(左)江戸期のブルーウィロウのお皿に盛って。お気に入りの皿に盛るとより一層美味しく感じます。
(右)ネットショップで一目見て気に入った踊る猫の人形。本来はイヤホンを掛けるものみたいなんですが、
上手に引っかからずクリップ掛けにしています。他にも黒猫、三毛などいくつかバリエーションがあったので、
全種類集めたいです。
2023.08.27 16:33|日々のこと
ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東。
フランコ将軍、キューバのカストロ、ポル・ポト、チャウチェスク、カダフィ大佐、
シリアのアサド大統領、習近平、プーチン、北の将軍様。

独裁者と呼ばれる方々のお名前を思いつくままに挙げてみました。
男女共同参画の観点から女の独裁者も挙げないとと一所懸命考えたんですが、
パッと浮かんだロシアのエカテリーナ二世、イギリスのエリザベス一世にビクトリア女王、ハプスブルク家の
女帝マリア=テレジアは皆さん名君の誉れ高い方々であり、間違っても独裁者ではありません。
で、結局男性ばかりになってしまいました。

私の中の独裁者のイメージというと、貧しい生活にあえぐ国民を尻目に自分は色と欲に溺れ贅沢三昧。
権力保持のためなら手段を選ばず、大量虐殺も厭わない。終いには天罰が下り処刑もしくは自殺という末路を辿る、
とこんな感じでしょうか。

ですが、処刑もしくは自殺したのはヒトラーとムッソリーニ、チャウシェスク、カダフィぐらいで
名前を挙げた人物の大半は権力を手にしたまま病没というのが本当のところです。
世の中は不公平です。天誅なんてこちらが期待するほど起きるもんではないんですね。

富と権力を欲しいままにし、ハーレムには若い美女を侍らせ・・・・。
女の私はいまいち共感できませんけども、そういうのって究極の男の夢、なんでしょうね。

だからといって独裁者が心から幸せかというと絶対にそんなことはないでしょうね。
なぜなら彼らには心から安心できる時などないだろうから。

誰一人として信用できず、たとえ家族や最側近であっても裏切りの懸念から逃れられない。
常に命を狙われる恐怖がつきまとい、内心は怯えきっているのに、外に向かっては虚勢を張って
周囲を威嚇しなければならない。疲れるだろうなと気の毒になります。
それでも必死で権力にしがみつく姿は滑稽ですらあります。

シリアのアサド大統領が良い例です。
彼は自国民を皆殺しにしても大統領の座は降りないぞー!という姿勢は終始一貫しています。
しかしねぇ、国民は死に絶え、後には大統領一人が残った・・・なんて悪い冗談みたいでまったく笑えませんよ。
事ほどさように、権力ってものは男にとって一度味わったら追い求めずにはいられない蜜の味なんでしょう。

またまたイギリス人の話で恐縮ですが、イギリス人というのは独裁者を生みにくい国民性なのだそうです。
あちらでは女王であっても平気でジョークのネタにします。そしてそれを王族も受け入れています。
誰かが言っていましたが、彼らは独裁者を見ると笑ってしまうのだそうです。

そんなイギリス人のチャップリンが作った映画、「独裁者」の有名な最後の演説の場面を貼ります。


人間には過去の重大な失敗から学ぶ事ができないという致命的な欠陥があるように感じます。
このままだと人類は自滅の道一直線。愚かな人間のことだから、滅亡寸前まで互いに争っている気がします。
悲しいかな、利己的なのが人間という生き物なんですね。
2023.08.23 10:22|農業
ピーマン作っていると、時々突然変異みたいな辛い実が取れるんですが、パプリカでも同じことが起きました。
そういう実は収穫時にハサミを入れた時に唐辛子っぽい匂いがするので大体わかるんですけども、
これまでは辛いといってもシシトウ程度の辛味だったのでたいして気にも留めていませんでした。

ところが、先日夫の好物のレバニンニクを作っている時に味見をしたら、まるで鷹の爪を入れたように煮汁が辛くてですね。
こりゃマズいと慌てて投入済みのパプリカを全部回収しました。

ピーマンが辛くなる原因は、高温乾燥、水不足、肥切れ等のストレス反応。
これらのストレスにさらされると「単為結実(たんいけつじつ)」という現象が起こり、種子が無くなったり極端に少なくなり、
果実の中のカプサイシン量が増え、辛味が増すという原理だそうです。

う~ん、やっぱり肥切れか・・・。なんとなくそういう気はしていました。
そろそろ追肥しないとなと思いつつ、ついつい後回しにしていました。ごめんね、パプリカちゃん。
しかし、一度辛くなってしまったパプリカが追肥で甘くなるのかしら?

IMG20230823070756.jpg IMG20230823071104.jpg IMG20230823071128.jpg
(左)誇張でなく、次から次に実がなる豊作パプリカ。そりゃあこんだけ健気に実をつけたら肥料も食うだろうな。
(中)育苗中の秋冬野菜。気温が高いので発芽するか気をもんでいましたが、ぼちぼち順調です。
(右)スナップエンドウもちらほら芽を出してきました。
2023.08.20 16:51|日々のこと
長崎駅に隣接する長崎街道かもめ市場と、浜の町アーケードの文具店石丸文公堂で見つけた長崎土産色々。

IMG20230816113744.jpg IMG20230816113920.jpg IMG20230816113907.jpg
1883年創業の石丸文公堂は文具の品揃えではおそらく県内随一。私もよくお世話になりました。
久しぶりに来てみると、1階に長崎の名産品がずらりと並んでいてびっくり。
昔からセンスの良さを感じさせる品揃えで定評のあった石丸文公堂ですから、ちょっと毛色の
違う面白いものが見つかりそうです。

浜の町へのお出かけを私達長崎っ子は「まちに行く」と言い、遊園地等を差し置いて子供の頃は一番の花形行事でした。
岡政の屋上で300円のパフェを食べ、花子の部屋で時間を忘れ、京風ラーメン通りゃんせのラーメンもしくは
レストラン金子のトルコライス、あるいはピノックのドリアで腹を満たし、と。今は全て思い出の中だけの味です。

時代の流れで多くの個人商店が店を閉め、かつての魅力溢れるアーケードの姿は影を潜めてしまいましたが、
訪れれば何となく昔の楽しかった事を思い出してワクワクします。

IMG20230816113844.jpg IMG20230816113832.jpg IMG20230816113826.jpg
猫グッズの充実ぶりは相変わらず。

IMG20230815101822.jpg IMG20230815101704.jpg IMG20230815101604.jpg
かもめ市場の長崎土産。お土産全般パッケージがおしゃれになりました。

IMG20230815101550.jpg IMG20230815101533.jpg IMG20230815101447.jpg
(左)昔からある長崎土産の定番、長崎物語。博多の女のクリーム版です。私はこっちの方が好き。
(中)大好きな紫芋のかんころ餅!
(右)ちゃんぽん煎餅なる変わり種も。開発者には申し訳ないけどあまり美味しそうな想像ができません・・・。

IMG20230815101420.jpg IMG20230815102132.jpg IMG20230815101803.jpg
(左)こちらは皿うどんチョコ。買う人いるんかな。
(中)長崎に来たら美味しいかんぼこは外せませんね。
(右)ミスター長崎、さだまさしさん監修のカステラがありました。
2023.08.20 12:50|日々のこと
10数年のテレビ無し生活からテレビのある生活に戻って1年余り。

テレビが見られるようになってしばらくは私もよく見ていたが、1年経った今ではテレビをつけることもあまりなくなった。
見たい番組がないということと、出ている人々の言葉遣いが気になって集中できないからだ。
民放の白痴バラエティは言わずもがな、近頃はNHKでさえお笑い芸人やアイドルを起用した低俗な番組が目立つ。
NHKにはかつてのような硬派で教養ある番組作りをして欲しい。視聴率なんてのは民放に任せておけばよいのだ。

先日も流し見していた番組から、「・・・任せれる」という言葉が聞こえてきて、思わず耳を疑った。
任せれるとは何ぞや?見れる、食べれるなら珍しくもないが、任せれるなんて言い方、初めて聞いたぞ。
画面を見ると若くもない女性である。それもどこだかの役所の広報担当らしい。
情けなさで体の力が抜け、その後は沸々と怒りが湧いてきたのである。

たとえその人物がどれほど良いことを言っていたとしても、その人から「ら抜き言葉」が発せられた刹那、
その内容は私には説得力を失う。耳のシャッターがガラガラーと閉まる。
そう、中居君の歌を拒否するトミー・リー・ジョーンズのように・・・。

自分でもどうして「ら抜き言葉」にここまで過敏に反応するのかよくわからない。
夫はそこまで気にならないと言うが、夫の場合は私があまり反応しない「とか」や「うちの奥さん」が我慢ならないと言う。

私の周りでは、ら抜き遣いが圧倒的優勢である。
見れる、食べれるは当たりまえ。やめれる、出れる、決めれる等々。
そんな形勢不利な状況でも「ら」を入れることに固執する自分ってヘンなのか?とか、
その他大勢と同様にら抜き言葉を使った方が気持ちが楽になるかもな、と葛藤する瞬間がないわけではない。
しかし、正しい日本語を使う事は絶対に譲ることのできない日本語話者としての私の矜持なのだ。

普段の言葉遣いは長崎弁丸出しでお世辞にも洗練されているとはいえない私であるが、
書き言葉と接客時には努めて丁寧な言葉を使うよう心がけている。
美しく正しい言葉遣いはその人の格を高め、それは周りにも伝染すると信じているからである。

しかし、どれだけ私が鼻息荒くしても、この勢いだとあと10年もすれば「ら抜き言葉」に
正しい言葉はすっかり駆逐されてしまうだろうな。

言葉の乱れは精神の乱れ。日本語の衰退が日本人のモラル低下につながっているような気がしてならない。
2023.08.19 13:27|農業
秋冬野菜のうち育苗するサラダスナップ、あまだまキャベツ、のらぼう菜の3種類を播種しました。

使ったのは50穴のプラグトレー。
サラダスナップ15穴、のらぼう菜20穴、キャベツ15穴を使い、それぞれ2粒まきしました。
畑として使える場所が限られる我が家の庭に対して多すぎる苗ですが、
全部発芽するわけじゃないし、いざとなったら土のう袋栽培があるじゃない、と。

そうそう、今回試験的に挑戦した土のう袋栽培について。
プチトマトときゅうり、バジルでやってみたんですけどね、土の量に気を付ければ普通に育ちます。
しかし、垂直方向1メートル、水平方向2.4メートル、 深さが30~50㎝くらいのところまで根が縦横無尽に伸びるトマトは
土のう袋だと窮屈だったみたいで、あまり生育がよくありませんでした。株はそこそこ大きくなったものの、
株の充実に反比例して実が小さくなっていくという残念な生育に・・・。

酸素要求量が多く、浅く根が張るキュウリは土のう袋栽培向きの野菜だと感じました。
大量の水分が必要なキュウリ栽培は乾燥が大敵ですが、その点にさえ注意すれば十分いけます。
今年作った野菜の中では一番土のう袋との相性が良かったんではないでしょうか。

豆科のスナップエンドウは深くまで根が張るので、ちょっと厳しいかもしれません。
根張りの善し悪しが玉太りに直結するキャベツもちょっと不安ですね。しかし何事もやってみないとわかりませんから。

IMG20230819084834 (1) IMG20230819085200.jpg IMG20230819085528.jpg
(左)矮性で年内収穫ができるニムラサラダスナップは端境期出荷を狙う農家に人気で、私も一度作ったことがあります。
その時は虫害のひどさと誘引の煩わしさに心底うんざりし、二度目はないなと思ったんですけど、
家庭菜園程度ならうまくできそうな気がして今年再挑戦してみることにしました。

(中)のらぼう菜はのらちゃん菜と名前が違うだけの同じ野菜。これも何度か売り物として作った野菜です。
味の良さに惚れ込み、この美味しさを知って欲しい一心で売り込みに力を注ぎましたがまったく売れず。
新顔野菜を定着させることの難しさを痛感したほろ苦い思い出のある野菜です。
味はすごく良いのに売れないという、典型的な家庭菜園向きの野菜ですね。

(右)静岡県の石井育種場はキャベツの育種では知る人ぞ知る老舗企業。キャベツひと筋の会社ならではの
良品種を世に送り続けています。最近ではスイーツキャベツというジャンルがあるくらい甘さを売りにしたキャベツ品種が
色々出ていますけども、このあまだまも甘くて美味しいキャベツです。

IMG20230819085121 (1) IMG20230819090833.jpg IMG20230819090751.jpg
(左)ニムラサラダスナップ。
(中)半日陰になる場所を選んで育苗箱を設置。念のため遮光シートものせました。
(右)2株あったスーパートレニアのうち1株は残念ながら枯れてしまいました。残った1株は暑さの峠を越して
どんどん株と花数が充実してきています。
2023.08.17 14:30|好きなこと
滞在時間は正味28時間という、毎度のことながら慌ただしい帰省でした。

翌朝、妹の家を後にしバスで向かった先は中通りの馬場骨董店。
私の帰省の目的の1/3はこのお店に行くためといっても過言ではありません。
帰途につくまでの限られた時間にここを訪れるのは、このタイミングでしか出会えない器が
あるはずという確信めいた思いがあるからであります。

もしこのお店が近くにあったなら、たぶん私は足しげく通うと思います。
でも考えようによっては、年に一回もないような少ない機会にこれは!と思う器と出会えたら
それは本当に出会うべくして出会った器だと感じますし、より一層大事にしようという気持ちになります。

今回もありましたよ、素敵な出会いが❣
以前クロワッサンの器特集で、北京出身の料理研究家、ウー・ウェンさんが古い器を紹介されていたんです。
それが中国の山水画を模した図柄の、いわゆるシノワズリのブルーウィロウの器だったんですが、
西洋が焦がれたエキゾチックな東洋の風景が描かれていてすごく素敵だったんです。
以来、いつかどこかで出会えたらいいなと思っていました。

昨日もいつものように、まずは店頭に積まれたお値打ちの品を一通り物色した後、店内の床に直置きされていたり、
目立たない奥の方にうずもれて私との出会いを待っている器を求めてガサゴソやっていたんです。

そうしたら、何枚も積み重ねられ埃をかぶった器の群れの中にビビッ❣とくる1枚を見つけました。
他の器を傷めないよう、そ~っと上の食器を外し、目当ての器に到達。それが憧れのブルーウィロウ(青柳)だったのです。
何か所も欠けているし、裏側には目立つニュウ(ひび)もふたつありますが、それが逆に私を勇気づけました。

私・・・あのぉこれって・・・、ブルーウィロウですか?
女将・・・あぁ、それね。外郎よ。う・い・ろ・う!
私・・・う、ういろうですか?
女将・・・そう!ほら、こげんして鳥とか柳とか絵柄のパターンの決まっとっと。
私・・・やっぱりそうなんですね、以前雑誌で見てずっと欲しいなぁって思ってたんです。これ、中国のお皿ですか?
女将・・・うんにゃ、オランダよ。江戸時代にオランダで作られた物が出島に入ってきたんですよ。昔は長崎のお金持ちが
    こげんとば何十枚も買いよったんです。舶来品は長崎からしか入ってこんかったけんね。
私・・・へー。オランダ。なんかこれ、地が陶器っぽいんですけど
女将・・・当時はヨーロッパでは磁器の作れんかったけん陶器ですよ。だけん割れたり欠けたりしやすいんです。
私・・・そうなんですか。これかなり傷んでますけどまだ使えますかね?
女将・・・もちろん。醤油とかはどうしても染みやすかけど、使う30分前に水に漬ければある程度染み込みは防げますよ。
    オランダのものならそこの壁に状態の良かとがあっでしょ?その皿も昔なら1万3千円位しよったばってん、今は8千円。
    ういろうも値段の下がってしもうて。表に出しきらん皿の奥に山積みなっとる。
私・・・やっぱり完品見ちゃうと欲しくなりますね。8千円かぁ・・・。次来るまで残ってますかね?
女将・・・大丈夫あるある。その皿はあんまし状態の良うなかけん、タダでよかです。おまけしてあげる。
私・・・え、本当ですか?わぁ、ありがとうございます!じゃあこのナルミの深鉢下さい。

IMG20230816193240-EDIT.jpg IMG20230816193303.jpg IMG20230816193222.jpg
江戸時代、はるばる海を越えてジパングにやってきたオランダのブルーウィロウ。
この写真だと綺麗に見えますが相当傷んでいます。ちょっとぶつけても割れそうな感じ。大事に使わないと。
右は現代もののナルミの中鉢。以前こちらで購入した角型の大皿と揃いと思われます。

IMG20230816112501.jpg IMG20230816112526.jpg IMG20230816112541.jpg
鍛冶屋町通りにある老舗の西洋骨とう品店マヨリカ。何十年も前に、一度だけお店に入ったことがあります。
当時から器が好きで骨董品にも関心はあったのですが、店内の重厚な雰囲気に気後れしてしまいそそくさと店を出ました。
昨日はあいにくの店休日。次回のお楽しみとしましょう。
2023.08.16 22:25|日々のこと
父の初盆で帰省し、精霊流しに参加してきました。
小さいのでいいから船で送ってあげたい、という妹と姪っ子のたっての希望です。

30年前に祖父が亡くなった時は揃いの法被を作り、親戚一同で数メートルの大きな船を曳いて祖父を送りました。
今回親戚は送り盆には来ない予定だったので、子、孫、ひ孫だけでも負担の少ない小型の船にしました。
段ボール製の船を皆で黙々と組み立て、家紋入りの提灯を下げ、正面に父の遺影を固定し、〇〇家と書いた紙を貼って完成。
IMG202308151758471.jpg
母、娘、孫、ひ孫の4世代で船を囲んで記念撮影。

日が落ちて涼しくなってきた夕方6時前、準備した花火と爆竹を携えいざ出発です。
ところがうかつにも今回、精霊流しに欠かせない銅鑼を準備するのをすっかり忘れていました。
銅鑼の音に合わせて”ドーイドーイ”と声を掛けながら街を練り歩くのが正調・長崎の精霊流し。
仕方がないので近くの船の銅鑼の音を拝借し、どさくさに紛れてドーイドーイ!と声を掛けました。

IMG20230815192855.jpg IMG20230815194023.jpg IMG20230815194138.jpg
(左)軽くて小さいとは言え、この船を抱えて数キロの道程を歩くのはけっこうな重労働。案の定、翌朝はひどいふくらはぎ痛でした。
(中)陸上競技場が浦上地区精霊船の終着点。道路の上には夥しい量の爆竹の残骸。これが翌日にはきれいさっぱりなくなっています。
何方が片付けてくれているのか…警察官、役所の人、消防署員のみなさんでしょうか。あまり散らかさないようにしないといけないですね。
(下)原爆落下時には水を求める人々で溢れたという浦上川。こうして見ると風情があります。

浦上地区の精霊船は中心部に比べると比較にならない程少なくて、その分爆竹もだいぶ大人しめですが、
中心部はこの数倍賑やかなので耳栓をしていても耳が変になります。ゴミの量も半端なくて、
大波止周辺には今日の昼間も片付けきれなかった爆竹が相当量残っていました。

佐世保在住の姪によると佐世保では精霊流しはほとんど見られないそうです。一方、島原や大村辺りでは割と見られるそうですが、
知名度・規模ともに長崎のものが他を圧倒しています。

全国的に名が知られるようになったきっかけはグレープの曲なんでしょうけども、
そもそもなぜ長崎で精霊流しがこれほど盛大なイベントになったのでしょうか?気になったので調べてみました。
江戸時代、長崎の唐人屋敷に住んでいた中国人達が、屋敷内で亡くなった人の霊を祀(まつ)るために行っていた
「彩舟流し(さいしゅうながし)」の影響を受けた行事といわれています。爆竹と銅鑼も華僑の風習の名残なんですね。

よそでは、悲しげな曲調そのままの印象を長崎の精霊流しに対して抱いている人が多いと聞きます。
ですが、"精霊流しが華やかに”という歌詞でもわかるように、本来賑やかな行事であります。

ペーロン大会、原爆忌、そして精霊流しと長崎の夏は風物詩がいくつもあります。
私の夏に対する曰く言い難い特別な感情も、これらの行事の記憶が鮮烈なせいかもしれません。
2023.08.12 22:16|日々のこと
今日も北海道の支笏湖で痛ましい水難事故が起きてしまいました。
梅雨が明けてから毎日のように海や川、湖で誰かが溺れたというニュースを耳にしている気がします。

この暑さですから水に浸かりたくなる気持ちもわからんではないのですが、
お風呂に水が張ってあるのを見るだけでお股のあたりがゾクゾクする私みたいな人間には、
海はともかく湖や池やダムで泳ぐなんてちょっと考えられません。想像しただけでチビリそうです。

それにお盆頃は水辺には近づくな、というのは私の世代では当たり前だったんですけどねぇ。
近頃は気にしない人が増えているみたいで。地獄の窯の蓋が開いて死者に引きずり込まれる、と
昔の大人は口酸っぱくして子供に言い聞かせてたもんです。言い伝えには相応の理由があるはずで
迷信と一蹴するのはどうかと思いますね。

小学生の頃は夏休みに入ると毎年家族で海水浴に行くのが決まりでした。
長崎では海水浴場はそれこそよりどりみどりです。そんな中で父が向かうのはたいてい野母の川原、
そうでない時は柿泊の弁天白浜が多かったです。父が飯ごう炊さんをして、鰯のトマト煮なんかの缶詰を
パカッと開けて一丁上がり。日頃料理をまったくしない父がご飯の支度をしてくれる姿が新鮮で、
特別手の混んだものではないのにキャンプで食べる料理はとても美味しく感じました。

川原の浜は丸石がゴロゴロしていてすぐに足がつかなくなるので浮き輪は必須でした。
泳ぎが苦手な私にはちょっと怖い海だった印象があります。

当時の記憶をつらつら辿ってみました。恒例行事になっていたので行ってましたけども、
水が苦手な私が喜んで海に行っていたかと訊かれると、ちょっと疑問です。
海から上がった後のベタベタも苦手ですし、砂だらけの足にサンダルを履いて帰るのもイヤでしたね。
父も母も海育ちなので泳ぎはできたはずですが、どう頑張っても母が泳いでいる姿が脳裏に浮かんできません。
実際の所はどうだったんでしょうかね。帰省した時に尋ねてみたいと思います。

という風に、私は積極的に水遊びをしたいという人間では決してないのですが、五島の海にはもう一度行ってみたい。
奈良尾出身の友人に勧められて訪れた高井旅海水浴場の海は透明度抜群のエメラルドブルーで、
こんなに美しい海が長崎にあるなんて、と感動しました。次行くならばどこまでも遠浅という蛤浜海水浴場と、
我が母イチオシの平戸の根獅子の浜でしょうか。

私が子供の頃は海でもプールでもライフジャケットを着ている人は皆無でした。
しかし次行く機会があればライフジャケットを必ず持って行きたいと思います。
07 | 2023/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

nonogu

Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR