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遙かなるウクライナ

2022.02.26 06:56|日々のこと
ジャイアン国・ロシアの横暴が止まらない。事を自分の思い通りに運ぶための手段として他国への侵攻を
選択するその思考回路は、我々の理解が遠く及ばないものでまったく意味不明だ。

かつてのソ連邦の一員で同じ東スラブ民族であるとはいえ、ウクライナはロシアとは言葉も違う他民族であり、
れっきとした主権国家なのである。

旧ソ連時代からロシアという国は常に私の興味の対象であり続けた。なぜアメリカでもフランスでもなくソ連だったのか?

きっかけは中学時代にハマっていた有吉京子の漫画『スワン』。
バレリーナを志す真澄が本気でバレエに向き合うきっかけとなるのが、ソ連で出会った二人の天才少女ラリサ・マクシモーヴァと
従姉妹のリリアナ・マクシモーヴァ。

漫画の中で描かれるソ連は情報の少なさも相まって神秘性を増し、多感でうぶな私の心を捉えるのに時間はかからなかった。

高校生の時にお隣韓国で開催されたソウル五輪では、男子体操でソ連の3選手が金銀銅を独占した。
美のアルティモフ、力のビロゼルチェフ、技のリューキンと称えられたうちの一人、筋骨隆々のビロゼルチェフに
私はすっかりのぼせ上がり、アルティモフ派の友人と互いの推しをめぐって意見をたたかわせたものである。

こうして海外への抑えがたい憧憬の念が私を海外文通へ向かわせることになるのだが、
実際に彼の国の人々と手紙のやりとりとをして感じたのは、彼らの貧しさだった。

17歳の頃文通していたウクライナのユーリ・ボルスチェフ君が最初の手紙に同封してきた写真はセピア色。
封筒も紙を切り貼りして作った手作りで、便せんの質もわら半紙に毛の生えたようなざら紙だったのである。
この数年後にベルリンの壁が壊され、ソ連邦も崩壊することになるのだが、私達には知る由もない。
私が彼の地へ抱く想いと同等がそれ以上の好奇心と憧れを、彼が鉄のカーテンの向こうへ抱いていることが
手紙の端々から手に取るように伝わってきた。

DSC07432.jpg
ユーリ・ボルスチェフ君。写真の彼は当時17歳だった。

DSC07429.jpg
住所を改めて見直すと、今回のロシアの侵攻の口火を切ったドネツクである。
もうこの場所には住んでいないかもしれないけれど、無事でいるだろうか。

ロシアへの思いも若い頃とは180度変わってしまった。
太平洋戦争時のソ連兵の残虐非道ぶり、ほぼ史実と作者が言う『オホーツク諜報船』での冷酷さを知ると、昔のような気持ちを抱くことは到底無理である。

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Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

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