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妻の言い分、夫の言い分

2019.06.29 20:37|農業
30年近く前ですが、『彼の言い分、彼女の言い分』という映画がありました。
同じ状況でも男と女でこんなにも見方が変わる、というギャップを描いたロマンティックコメディで、
今日はそのタイトルをパクってみました。

ここで言う妻と夫は私たち夫婦のこと(当然ですが)。
最近私たち夫婦の間である法則があることに気付いたのですが、それは、

・売る野菜が少ない、あるいは途切れると夫の機嫌が悪くなる
・野菜が売れない、あるいは売れ残ると妻がイライラする


うちの基幹作物は小ネギです。その小ネギがしばらく途切れて出す野菜が少なくなってしまった4~5月、
夫はちょっとご機嫌斜めでした。『基幹作物を欠品させるとは何事か!』というわけですが、出荷が少なくなると
売り上げが減るという実利の問題以前に、せっかく売り場を作ってもらっている出荷先に申し訳が立ちません。
欠品するたびに出荷担当の夫は売り先に頭を下げて肩身の狭い思いをすることになります。栽培担当の私に
腹が立つのも至極当然の話で、本来は私に言い訳する余地などないのですが、私にも言い分がありまして。
農業では思うとおりに育たないことも、失敗することもある。一所懸命やった結果の失敗なのだから、
必死に頑張ってこれから取り戻すしかない、と。

そして現在、ハウスには立派な小ネギがありますし、モロヘイヤもワサワサしています。もうじきてごろ菜も採れ始める。
栽培計画的には非常に順調です。ところが、売り物は豊富にあるのに市場が飽和状態で、今度は野菜の価格が
なかなか上がらない。そういう状況だとどんなに綺麗で立派な小ネギでも、他の出荷者が70円で売る中
120円では到底売れませんから、泣く泣く90円で売るはめになります。

私は、自分では120円の価値があると思っても、その値段で売れないなら需要とかみ合ってないのだから、
お客さんが買ってくれる値段まで下げてもいいという考えです。一方で夫にとって売価はそれほど単純に
付けられるものではありません。出荷先ごとに手数料も異なり、消費税が内税の店、外税の店など
考慮せねばならない点がいくつもあるのです。そうして立場の違いから意見の相違が生まれ、双方の言い分を
ぶつけ合うようなバトルが勃発する事態になります。

夫は経営者で営業マン、私は製造現場の職人みたいな関係なので考え方の違いはあって当たりまえ。
もう少しお互いの仕事の大変さに想像力を働かせることができれば、このようなバトルが起きる回数も
減っていくのかもしれません。持ちつ持たれつ、お互い様の気持ちが何より大切ですね。

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nonogu

Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

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