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研修生その後

2019.12.26 21:49|農業
『コータローがあんずの里に出荷しとるで』と夕飯時に夫。

コータロー君は奥さんの実家のある若宮で農地を借りて農業をしているうちの卒業生です。
なんでも、あんずの里のフェイスブックにコータロー君の商品が映り込んでいたらしいのです。
若宮に住んでいればドリームホープ若宮が出荷先のはず。それがはるばる津屋崎の店まで出荷しているなんて、
もしかして引っ越したとかねぇ、と二言三言コータロー君の話をし、そういえば、と今度は私が元研修生の話を振りました。

米澤さんのブログ、4年振りに更新されとったよ。奥さんのブログも2年ぶりに記事の上がっとった』

前に1度このブログでも取り上げた米澤龍一さんは、2008年に早良区で就農し今に至るまで生姜を専門に作っています。
奥様の作るセンスの良いパッケージの生姜の加工品も人気のようで、就農してからは1度会ったきりなのですが、
永香農園卒業生の貴重な成功事例として陰ながら応援しているご夫婦です。

今まで受け入れたたくさんの研修生のうち、現在進行形で農業をしている人はわずか3人。
米澤さん、コータロー君ともう一人は久山でニンニクを作っている、私達がトシちゃんと呼んでいる田原君。
全員非農家出身で、縁もゆかりもない場所で苦労して土地を借り、まったくのゼロから農業を始めた若者達ですが、
うまく地域に溶け込んで何とかかんとか農業を続けています。そして、米澤さん、コータロー君、トシちゃんの3人には
いくつか共通点があるのです。

① 明るく人見知りをしない性格で、目上の人から可愛がられる
② 奥さん(家族)が協力的

特に①に関しては、見知らぬ土地でうまくやっていくためには欠かせない資質なのではないかと思います。
田舎の人はよそ者に対しては極めて閉鎖的で、自ら飛び込んで行くくらいでないと受け入れてくれません。
うちの夫もそうですが、相手との間に壁を作らず、地域の行事にも進んで参加し、役員等も積極的に引き受けるような
姿勢で臨んで初めて自分達の仲間として見てくれるようになります。

奥さんが一緒に農業をやってくれるに越したことはありませんが、たとえそれが無理でも、重要なのは
妻側に夫の夢を応援する気持ちがあることです。奥さんが非協力的な人はまずうまくいきません。

もちろん全ての卒業生と連絡を取り合っているわけではありませんから、こちらが知らないだけで
他にも就農している人はいるかもしれませんが、それにしても三十人近い研修生から就農できたのは
一割に満たない程度ということからも就農の難しさを実感させられます。

いや、正確には就農のハードルが高いわけではなく、農業への熱い思いを持ち続けることが難しい、と
言った方がいいかもしれません。『自分の生きる道は農業しかない!!』と目に炎を宿してうちに研修を申し込んできた
人達の大半が、時間が経つにつれ当初の情熱を失い、フェードアウトしていきました。

しかし、その程度で萎えるほどの思いならとっとと諦めて他の道を探した方が本人のためです。
生半可な気持ちで続けられるほど農業は甘くないのですから。

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nonogu

Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

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