小津安二郎『浮草』
2020.03.22 21:55|好きなこと|
近頃、古い邦画にハマっている。
それも1950年代から60年代の、相当古い作品が中心。
『羅生門』、『赤線地帯』と立て続けに観て、京マチ子の魅力に開眼。
そこで昨日は、小津安二郎監督作品の『浮草』を観賞した。
役者の技量の高さは言わずもがな、当時の日本の風景、人々の生活に胸が熱くなるような懐かしさを覚えた。
これがいつ頃の日本を描いているのか。劇中に『戦争で全部焼けちゃって・・・』という台詞があるので、おそらく
戦後間もない頃だろう。この作品が作られた昭和34年は高度経済成長期の真っ只中で、都会では欧米の文物が
津波のように押し寄せていたはずである。ロケ先は三重県志摩市波切だそうだが、現在では撮影当時の懐かしくも
古い町並みは完全に失われ、美しい石垣塀や家並みも跡形もなく姿を消していた。
懐かしいと言っても、この映画の中の日本は自分の育ってきた時代よりだいぶ前で、もはや異国情緒への憧れに近い。
言っても詮無いことだが、日本人はこのような貧しくもつつましい生活を続けていれば良かったのではないかとさえ感じる。
中村鴈治郎と杉村春子が酌をしながら会話をする場面と、同じく鴈治郎と京マチ子が土砂降りの中、小径をはさんで
互いを面罵する場面を見られだけでモトは取れた。私はこれらの役者さんの凄さを表現できる語彙を持たないけれど、
とにかく圧倒される。存在感に目が釘付けになる。
アマゾンプライムのシネマコレクション by KADOKAWAで観られる名画がたくさんある。
これからしばらく邦画めぐりの楽しみは尽きそうもない。
それも1950年代から60年代の、相当古い作品が中心。
『羅生門』、『赤線地帯』と立て続けに観て、京マチ子の魅力に開眼。
そこで昨日は、小津安二郎監督作品の『浮草』を観賞した。
役者の技量の高さは言わずもがな、当時の日本の風景、人々の生活に胸が熱くなるような懐かしさを覚えた。
これがいつ頃の日本を描いているのか。劇中に『戦争で全部焼けちゃって・・・』という台詞があるので、おそらく
戦後間もない頃だろう。この作品が作られた昭和34年は高度経済成長期の真っ只中で、都会では欧米の文物が
津波のように押し寄せていたはずである。ロケ先は三重県志摩市波切だそうだが、現在では撮影当時の懐かしくも
古い町並みは完全に失われ、美しい石垣塀や家並みも跡形もなく姿を消していた。
懐かしいと言っても、この映画の中の日本は自分の育ってきた時代よりだいぶ前で、もはや異国情緒への憧れに近い。
言っても詮無いことだが、日本人はこのような貧しくもつつましい生活を続けていれば良かったのではないかとさえ感じる。
中村鴈治郎と杉村春子が酌をしながら会話をする場面と、同じく鴈治郎と京マチ子が土砂降りの中、小径をはさんで
互いを面罵する場面を見られだけでモトは取れた。私はこれらの役者さんの凄さを表現できる語彙を持たないけれど、
とにかく圧倒される。存在感に目が釘付けになる。
アマゾンプライムのシネマコレクション by KADOKAWAで観られる名画がたくさんある。
これからしばらく邦画めぐりの楽しみは尽きそうもない。