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スーパー害虫

2020.08.23 17:54|農業
真夏の小ネギの天敵、シロイチモジヨトウ。今日、収穫をしていたら小ネギをムシャムシャ食っている
コイツが結構な数いた。たしか1週間前にベネビアを振ったはず・・・。残効は2週間あるはずだけれど、
近頃は1週間程度で効果が切れ始めるような・・・。それともコイツら、もしやスーパーヨトウムシ?

薬剤に対し高度な抵抗性を備えたスーパーコナガが、
全国のアブラナ科農家を悩ませている事はずいぶん前から聞いていた。
ネオニコ、ピレスロイド、ネライストキシン、そして比較的抵抗性がつきにくいと言われていた
IGRも効果が弱くなっているという。最近ではジアミド系に抵抗性をつけたコナガが増えているとのことで、
ただでさえ害虫の多いアブラナ科農家のみなさんは頭を抱えているだろう。

守備範囲の広さと残効の長さで一気に全国に広まったジアミド系の殺虫剤だけれど、
その使い勝手の良さが災いし、さして時間をおかずに抵抗性をつけたスーパー害虫が現れ始めた。
特に大産地ほど抵抗性が高度になっているそうで、西日本の中山間地や水田地帯においては
抵抗性の付き方が幾分弱くなっているそうである。

こんな事を言うとアブラナ科農家のみなさんに悪いけれども、この厄介な虫がネギに無関心で
本当にラッキーだった。それくらい、コナガに使える薬がどんどん少なくなって困っているらしい。

しかし、ネギにはスリップスというコナガと同じくらいメンドクサイ害虫がいる。
小さい虫ほど抵抗性が発達しやすいらしいから、ピレスロイド、ネオニコ、IGR、ジアミド系、マクロライドに
ウララ、ハチハチ、コテツ等を残効が長くなるように組み合わせてローテーションしている。

実感としてはピレスロイド、ネオニコ、ジアミドは確かにちょっと残効が短くなってきたような気がする。
そうなると最後の砦はマクロライドということになるが、あまり頼りすぎると抵抗性がつくので注意が必要だ。

真夏の小ネギ栽培では、スリップスに加えてヨトウムシの防除が最優先事項。
効果が切れるとすぐに虫の餌食になるため、両方の防除には深い知識と高度なテクが必要で、
盛夏期の小ネギ栽培を一層難しくしている。

人間と虫との仁義なき戦いは、イタチごっこという表現がぴったりなのである。

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Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

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