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薬剤抵抗性とは

2020.10.06 21:44|農業
薬剤への抵抗性を備えた菌や虫が農業に支障を与えていることは、農業に携わる人間であれば
当然持っていなければならない一般常識である。しかし私がもし抵抗性とは何かを説明せよと言われたら、
虫、菌または雑草が繰り返し薬剤を浴びるうちにその薬剤に慣れて効かなくなってくる、という非常に
大ざっぱなイメージしかなく、抵抗性の概念を正しく理解はしていなかった。おそらくそう思っている農家の人は
相当いるだろうと思うが、実際はそうではないらしいのである。

抵抗性とは、その農薬が効かない遺伝子をたまたま生まれつき持っていた生物が生き残って
世代交代を繰り返し、やがては多くの個体がその遺伝子を持つようになる


というのが正しい理解だそうだ。だから世代交代の早いダニ、アブラムシ、アザミウマなどは抵抗性がつきやすい、
ということらしい。最近では複合抵抗性(複数の農薬に抵抗性を持つこと)を持つ害虫が増え、中には2つ以上の
成分に対して抵抗性を備えたやっかいな害虫も少なくないという。

抵抗性の機構

① 薬剤が体の中に入らなくなる・・・虫の表面や消化管、草や菌の細胞壁などが薬剤を通しにくくなる。
  皮が厚くなるイメージ。
② 薬剤が解毒されてしまう・・・酒に強い人と弱い人の差、というイメージ。
③ 作用点が変異する・・・薬剤が本来の作用性を発揮するために、作用するべき場所がなくなる。

一般に、低薬量で効く農薬ほど抵抗性がつきやすいと言われている。
合成ピレスロイド系殺虫剤(アグロスリン、アディオン等)やEBI系殺菌剤(オンリーワン、ラリー、トリフミン等)、
ストロビルリン系殺菌剤、あるいはSU系除草剤(主に水稲用)といった、低薬量で高活発な薬剤は、
早い段階から抵抗性が発現している。

抵抗性を回避するための対策は。

① ローテーション散布・・・毎回異なった作用性の薬剤をまくことにより、病害虫に単一の条件を
 与え続けることを避ける。また、散布ムラがあると低レベルな抵抗性を持つ病害虫が不完全な散布で
 生き残ることになるので注意する。

② IPM(総合防除)の実践・・・農薬一辺倒の防除にならないようにすればそれだけ農薬散布回数が減り、
 抵抗性の発現を遅らせることが出来る。

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Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

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