長崎について
2019.02.13 06:36|日々のこと|
長崎市の転出超過 初の全国ワースト1位 なぜ?
長崎市出身者として、ちょっと悲しくなってしまうニュース。
コメント欄でも、長崎出身の方が様々な提言・苦言を呈しているが、その多くが半ば諦念した感じの意見だった。
長崎は長年三重苦にあえいでいる。
三重苦とはすなわち仕事がない、給料が安い、家賃や駐車場代がべらぼうに高い、の3つである。、
なにしろ平地が極端に少なく土地代が高いから、どうしたって家賃や駐車場代はつり上がる。
車はおろかバイクも通れない狭い道が複雑に入り組んでおり、運搬にコストがかかるためかわからないが、
街の規模に比してガソリンや食品などの物価も割高に感じる。安月給なのに生活費は都会並みという
アンバランスが、市民の生活を圧迫している。
私は二十歳の時に家を出て、12年間長崎市内で一人暮らしをしていた。地元に残った同級生は結婚まで
親元で生活するのが当たり前で、地元なのに一人暮らしをしていると話すと、たいてい周りからは、
”親も同じ市内に住んどっとになんで一人暮らし?長崎家賃高っかけん貯金できんやろ?”
という反応が返ってくる。「親と折り合いが悪かったので」と言うと、それ以上突っ込んで来る人はいなかったが。
事ほどさように、長崎の給与水準で家賃や駐車場代を払いながらの生活はラクではないのだ。
出て初めて気づいたことだが、長崎は良いところだ。世界遺産は2つもあるし、食べ物はめちゃくちゃ美味しいし、
人だって優しい。坂と階段の多いのには閉口するが、住む場所さえ選べば歩いて行ける範囲で殆どの用事は
済ませられるから、考えようによってはとても便利な街なのである。それなのになぜ若者が出て行くのかと言うと、
働き口が少ないこと、あったとしても給与水準が低く、余裕のある生活など到底望めないからだ。
思えば、三菱重工で起きたダイヤモンドプリンセスの大規模火災から長崎の地盤沈下が加速したような気がする。
燃えさかる豪華客船を、私は当時の勤め先であった湊町のホテル上階からずっと見ていた。長崎の屋台骨、重工は
もう終わりだと、誰もが思ったほどの大災害だった。あれは仕事に不満を持つ内部の人間の放火ではないかという
噂が流れたが、真相は謎のままだ。
造船産業も観光業も斜陽である。しかし、鎖国時代の華やかな歴史から原爆投下まで、これほど明暗のはっきりした
歴史を持つ街は日本中見渡しても他にないだろう。この唯一無二の歴史を、もっと活かせないものか。
ああ、はがゆい。
長崎市出身者として、ちょっと悲しくなってしまうニュース。
コメント欄でも、長崎出身の方が様々な提言・苦言を呈しているが、その多くが半ば諦念した感じの意見だった。
長崎は長年三重苦にあえいでいる。
三重苦とはすなわち仕事がない、給料が安い、家賃や駐車場代がべらぼうに高い、の3つである。、
なにしろ平地が極端に少なく土地代が高いから、どうしたって家賃や駐車場代はつり上がる。
車はおろかバイクも通れない狭い道が複雑に入り組んでおり、運搬にコストがかかるためかわからないが、
街の規模に比してガソリンや食品などの物価も割高に感じる。安月給なのに生活費は都会並みという
アンバランスが、市民の生活を圧迫している。
私は二十歳の時に家を出て、12年間長崎市内で一人暮らしをしていた。地元に残った同級生は結婚まで
親元で生活するのが当たり前で、地元なのに一人暮らしをしていると話すと、たいてい周りからは、
”親も同じ市内に住んどっとになんで一人暮らし?長崎家賃高っかけん貯金できんやろ?”
という反応が返ってくる。「親と折り合いが悪かったので」と言うと、それ以上突っ込んで来る人はいなかったが。
事ほどさように、長崎の給与水準で家賃や駐車場代を払いながらの生活はラクではないのだ。
出て初めて気づいたことだが、長崎は良いところだ。世界遺産は2つもあるし、食べ物はめちゃくちゃ美味しいし、
人だって優しい。坂と階段の多いのには閉口するが、住む場所さえ選べば歩いて行ける範囲で殆どの用事は
済ませられるから、考えようによってはとても便利な街なのである。それなのになぜ若者が出て行くのかと言うと、
働き口が少ないこと、あったとしても給与水準が低く、余裕のある生活など到底望めないからだ。
思えば、三菱重工で起きたダイヤモンドプリンセスの大規模火災から長崎の地盤沈下が加速したような気がする。
燃えさかる豪華客船を、私は当時の勤め先であった湊町のホテル上階からずっと見ていた。長崎の屋台骨、重工は
もう終わりだと、誰もが思ったほどの大災害だった。あれは仕事に不満を持つ内部の人間の放火ではないかという
噂が流れたが、真相は謎のままだ。
造船産業も観光業も斜陽である。しかし、鎖国時代の華やかな歴史から原爆投下まで、これほど明暗のはっきりした
歴史を持つ街は日本中見渡しても他にないだろう。この唯一無二の歴史を、もっと活かせないものか。
ああ、はがゆい。