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2024.02.14 16:41|日々のこと
やれ物価高だ賃上げだと世間はかまびすしい。
買い物をしていると確かに色々なものが値上がりしていると感じるが、
野菜の値段は農家が望むほどには上がっていない気がするのは思い過ごしだろうか。

一粒の種を、スーパーに並ぶような立派な野菜に育てるまでには途方もない手間とお金がかかる。
肥料を与えて土を整え、草と虫と病気に負けないようこまめに世話をし、数か月、時には一年近い時間をかけて
ようやく一人前の野菜として出荷できるのである。

人間の赤ちゃんと同じで、野菜は一人では大きくなれない。
人が一生懸命手をかけ愛情込めて育て、かつ運よく天候に恵まれて初めて売れる野菜になる。
こういう、畑に足を運ばなければ見えてこない農業の現実を、消費者にはわかってほしいと切に願う。

数年前に比べ、農業資材のほとんどが”異次元に”値上がりしている。
その値上がり分が野菜の価格に反映されているかというと、そんなことはまったくない。
私が農業を始めた15年以上前から種は1.5倍、肥料に至っては2~3倍に跳ね上がっているのに、
ほうれん草や小ねぎは十年一日のごとく一袋100円で売られている。

コスト増を価格に転嫁できない農家の涙ぐましい努力を知っているから、
世間の”野菜が高い”というボヤきも私の耳には空虚に空疎に響く。

卵がようやく上がったと思ったら、じわじわ下がってきた。
飼料を輸入に頼る養鶏農家や畜産農家は円安で大打撃のはず。
バターの価格も上がったけれど、酪農家の生乳売価に反映されているかどうかはわからない。

消費者が国産のバターやお肉、卵、野菜をいつでも手に入れられるのは、生産者の涙ぐましい努力あってこそだ。
どうか値段ばかりにとらわれず、そこにも思いを馳せて欲しい。
私の心からの願いである。
2024.02.13 12:02|日々のこと
「キングスマン」3部作を一気に見終えました。

コリン・ファース目当てで観始め、主役のタロン・エジャトンの軽快なアクションに目を見張りつつ・・・。
全編を見終えて最も印象に残ったのは英国人のプライドの高さです。これでもかと詰め込まれた
「これぞ英国」という文物の数々にそれが象徴されているように感じました。

サヴィル・ロウの超一流テーラー。ビッグベンにトラファルガー広場。
長い伝統を誇る独自の文化とそれらを支えてきた高貴な人々。

ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演じていた時代から、イギリス人スパイはスーツが定番。
この映画では超一流テーラーが舞台ですから、出演俳優達はみなお誂えスーツでビシッと決めて登場します。

英国人俳優ってアメリカ人みたいに鍛えていないというか、コリン・ファースにしてもヒュー・グラントやジュード・ロウにしても、
肉体美を誇っているわけではないんですよね。そういう彼らでもひとたびオーダースーツに身を包んで画面に登場すると、
ヤンキーなぞお呼びでない圧倒的な品格を感じさせるのですから不思議です。
これには体形もさることながら文化の土壌が大きいのではないでしょうか。
日本男児が紋付き袴姿になると貫禄が増すのと同じです。

塩野七生先生は著書「男の肖像」でこのような事を書かれていました。
曰く、アングロサクソンとラテン系では間違いなくラテン系の方が美男子が多いけれども、
上背のあるイギリス人にスーツを着せると男っぷりが格段に上がって見える。
さしものイタリアの伊達男も悔しいけれどスーツ姿だけは彼らにかなわないと。

また余談として、かの国(英国)であれだけ男同士の恋愛が多いのは、あの大味な英国女に原因があるはずと
かなり辛辣な事を仰ってました。言われてみれば確がに英国人含むゲルマン系の女性はいかつい人が多い気がしますね。

カナダで多国籍の人と一緒に仕事をしている日本人の方のブログを時々訪れます。
一緒に仕事をしてきた外国人の国民性について書かれた記事も多く、勉強になります。
その方によれば日本人と相性が悪いと感じるのはイギリス人とドイツ人。
イギリス人はプライドの塊で、かつ偏屈な理論家となかなか辛口。
彼らが潜在的に持つ階級意識が障壁となり日本人とはウマが合わないと感じるそうです。

ドイツ人気質を一言で表すならば、「隣の芝はきちんと手入れされていなくてはいけない」だそうで。
頑固一徹で融通が利かず、順法精神や時間厳守等日本人と相通ずるところはあるものの、総じて相性は良くないとのこと。

逆に相性が良いと感じるのはフランス人とイタリア人、そしてアメリカ人。
フランス人はマイルドなあたりの中にきらきら光る野望があり、かつ互いに相手の文化への憧れが強いと。
フランス人と日本人の相性の良さについてはたびたび言及されているのでまぎれもない実感でしょう。
イタリアについては観光、美食、ファッション、センス、プライド、首相が頻繁に変わるところが日本と似ているそうです。

だいぶ話が逸れてしまいました。
過去の記事で、私が英国に対して親近感を抱いていると書きました。
国民性と、島国で大陸との距離など地政学的な立場が似ていると感じるためですが、
プライドの高さということになると、自信喪失気味の我々ヤマト民族は彼らの足元にも及びません。

歴史の長さは言わずもがな、伝統も文化も引けを取らない素晴らしいものを持ちながら、
自国に対していまいち自信の持てない私達には大いに見習うところがあるのではないかと思います
2024.02.08 06:35|日々のこと
最近夢に著名人の出演が続いている。
数日前には大谷くん。そして今朝はマッキーとフミヤがご登場。
二人と曲作り談義までするという、だいそれたというか贅沢この上ない内容だった。

夢はレム睡眠の時によくみるというのが定説だ。
私の場合、夜中2時から3時の間に一度トイレに起きて再び入眠し、その後正式に(?)目覚める間の、
いわゆる二度寝の時にこういうちょっと素敵な夢を見るのである。

二度寝の時に見る夢は、起きてすぐは記憶が鮮明で筋や登場人物をはっきりと覚えているのだけれども、
時間の経過とともにどんどんおぼろげになっていく。だから今朝は、その記憶が鮮やかなうちに記録しておこうと
布団の中でブログに下書きをした。

作家の阿刀田高氏は面白い夢を見た時にすぐ書き留められるよう、常に枕元に筆記用具を置いていたそうだ。
物書きの性とでも言おうか、特に阿刀田氏のような短編小説作家は常時アンテナを張り巡らしていないと
ネタが尽きてしまう恐さがあったのかもしれない。

起きている時には考えもつかないようなことが繰り広げられるのが夢の世界。
普段深層心理の奥深くに隠れている自分の潜在意識や意外な本心に触れることができるのも、
夢の効用のひとつだと私は思っている。

ただひとつ腑に落ちないのは、私が特段フミヤのファンではないこと。
世代的にチェッカーズの音楽は浴びるように聴いていたけれど、ファンを名乗るほどではない。
にもかかわらずそういう夢を見るということは、本当は自分は隠れフミヤファンだったのか?と。
そんなに悩むことじゃないかもしれないが、これって潜在意識が顕在化したのかも、となんか気になるのである。
2024.02.04 16:33|日々のこと
農業時代の週休一日から週休二日に変わって一年以上が経ちました。
当初は毎週二日の休みを持て余し気味だった私も、今ではすっかりそれ仕様になってしまいまして、
二日きっちり休まないと疲れが取れない体になってしまいました。

真冬は特にコタツに根が生えたように一日ほとんど動かない日も珍しくなく、そういう日が続くと
休みが文字通り”休む日”になってしまったなぁと、休暇を待ち構えてはドライブだ旅行だと繰り出していた
若い頃を懐かしく思い出すのです。

気ままな一人暮らしをしていた20代時分、休日になると特段用もないのに町にフラフラ出かけては
本屋やCDショップで何時間も過ごしたり、ウインドウショッピングをするのが楽しみでした。
町に繰り出せば何か楽しいことが待っているような、そんな予感があったのです。
それもこれも若さのなせる業、若者だけにかけられた魔法なのでしょう。

先日53歳になった私には、用もないのに出かけるなんて時間と体力の無駄遣いにしか思えず、
相も変わらずコタツで猫たちとグータラ過ごす通常運転。しかしコタツで長時間ゴロゴロしていたのが良くなかったのか、
腰・膝・肩が痛くなってきました。

ちょっと出不精が過ぎるかも、このままじゃ老け込む一方だわと危機感を覚え、
久しぶりに天気も良いし、遠賀川沿いを走って春の花用の寄せ植え鉢を見繕いに出かけてきました。

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(左)(中)芦屋町の行きつけのリサイクルショップで、陶器製の鉢を何点か見繕ってきました。
(右)二人で毎日食べても1玉消費するのに1週間以上かかるあまだまキャベツ。葉がみっちり詰まった寒玉だから
なかなか減りません。あと7玉、花芽が伸びてくる前に食べてしまわねば。味は甘くて最高においしいです。

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(左)(中)黄色と紫のビオラ。日差しが届かない真冬の我が家の庭。それでもこんなに美しく花を咲かせてくれています。
(右)パンジー、ハツユキカズラ、赤と桃色のキンギョソウの鉢。キンギョソウのしっとりとした赤に見惚れてしまいます。

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(左)アジュガの可憐な花も一年ぶり。
(中)戸外に置きっぱなしのサフィニア。トレニアは寒さで枯れてしまいましたが、サフィニアは株元に新しい芽が。
(右)秋冬の間食卓を豊かにしてくれたてごろ菜もそろそろ終わり。頂芽を積み終えたら撤収する予定が、脇芽が次々
伸びてくるのでしばらく置いておくことにしました。
2024.01.26 15:20|日々のこと
精神的なもろさを感じさせる人がいる。
ピンと張りつめた糸のような、触れたら粉々に砕けてしまいそうなガラスのようでもある。
去年から、仕事関係でそういう人と接する機会があった。

よくしゃべるし元気に見えるんだけれども、言動や雰囲気から言いようのない危うさを感じるのである。
同類相哀れむではないが、その人の中に自分と似た弱さを感じた私は内心気にはなっていた。
それがある日突然仕事に来なくなり退職したと聞いて、あぁ、やはりそうなってしまったかと思った。

その人は、思いがけず人生が軌道を外れ、再起を誓って立て直そうとしていた矢先だった。
もう二度とあんな生活には戻りたくないと、歯を食いしばって踏ん張っていたであろうことは想像に難くない。
しかし、一度ついた逃げ癖は容易には抜けず、日々の生活に疲弊する中で己を奮い立たせる力も底をついてしまったのだろう。

人間、一人で頑張り続けるのは難しい。
私とて、夫という存在がなかったらいまだに底辺から這い上がれずにいただろう。
何かあるとすぐ逃げようとする私の肩をつかみ、正面から目を見据え、”逃げるな!”と説き続けた夫を
疎ましく思ったことは数えきれないほどあるが、今は感謝している。

困難から逃げおおせることはできない。やつらはどこまでもいつまでも追いかけてくる。
目をそらしたい現実から一瞬は逃げられたとしても、いずれは対峙せねばならない時が必ずやってくる。

もし彼と再び話せる機会があるならば、そう伝えたい。
そしてまた、人生をやり直すのに遅すぎることはないとも。
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プロフィール

nonogu

Author:nonogu
永香農園
福岡県福津市上西郷地区で農業をしています。夫婦二人にパートさん3人、後継者候補のアルバイト男性一人に研修生一人。主な栽培品目はアスパラ、ネギ、ホウレンソウ、ニンニク、里芋、落花生。

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