関西は牛肉と白身魚文化圏というイメージがあって、夫はそのイメージ通りの人でした。
特に夫は但馬牛の産地近くの出身でしたから、牛肉好きと魚嫌いを公言してはばからず、
私が育った食文化との差を感じたものです。
新婚時代、”芋棒が食いたい”という夫のために、私にとっては未知の食材である棒鱈を京都から取り寄せ、
夫の記憶を頼りに作ったこともありました。私にはその味が美味しいのかそうでないのかもわかりませんでしたが、
夫の様子を窺うと”なつかしいなぁ。関西の正月と言えば芋棒やで”と満足したようでした。
ある年の正月には、私の中で郷里を象徴する味の鯨入り雑煮をこさえました。
昔から捕鯨が盛んで鯨肉消費量全国一位の長崎には、鯨食文化が今も残っています。
市内には鯨料理を出す料理屋がいくつかあって、鯨肉も比較的手に入りやすいのです。
表面に程よく浮いた脂、肉とも魚とも違う鯨肉のうまみが溶け込んだ自慢の雑煮です。
自信満々で夫に供しました。ところが雑煮を食べた夫の感想は、”鶏肉の方がいいな”。
人間の舌は保守的で、食の好みは簡単には変わらない。
そう肝に銘じ、夫婦二人ともに美味しいと思える食事作りに腐心してきた幾年月。
夫の好きな粉もんの登場回数は多めながら、兵庫と長崎のハイブリッド型ともいうべき献立に落ち着きました。
今晩の夫のつまみ用に鰯の梅干し煮をこさえました。
青魚嫌いだとばかり思っていた夫が、通販の青魚真空パック献立セットを取り寄せていたのです。
なーんだそうだったのかと、鰯の煮付けが食卓にのぼることが増えました。
鰯の煮付けは私の大好物でもあります。青魚の中では鰯が一番好きで、中でも母の作るみりん干しに目がありません。
青魚を調理する際には臭みの元となる血合い(腎臓)をしっかり取り除くことが大切。中骨まわりに腎臓が残ってしまうと
臭みが出てしまいます。歯ブラシでゴシゴシ取るのが確実ですが、身の柔らかい鰯は手で丁寧にこすり、念入りに洗い流します。
圧力なべに酒、みりん、砂糖、しょうゆと水適宜を注ぎ、梅干しを入れて煮立て、丁寧にあくを取ります。
高圧で20分煮たら圧が自然に下がるのを待ち、落し蓋をして煮汁を好みの濃度まで煮詰めたら完成。
特に夫は但馬牛の産地近くの出身でしたから、牛肉好きと魚嫌いを公言してはばからず、
私が育った食文化との差を感じたものです。
新婚時代、”芋棒が食いたい”という夫のために、私にとっては未知の食材である棒鱈を京都から取り寄せ、
夫の記憶を頼りに作ったこともありました。私にはその味が美味しいのかそうでないのかもわかりませんでしたが、
夫の様子を窺うと”なつかしいなぁ。関西の正月と言えば芋棒やで”と満足したようでした。
ある年の正月には、私の中で郷里を象徴する味の鯨入り雑煮をこさえました。
昔から捕鯨が盛んで鯨肉消費量全国一位の長崎には、鯨食文化が今も残っています。
市内には鯨料理を出す料理屋がいくつかあって、鯨肉も比較的手に入りやすいのです。
表面に程よく浮いた脂、肉とも魚とも違う鯨肉のうまみが溶け込んだ自慢の雑煮です。
自信満々で夫に供しました。ところが雑煮を食べた夫の感想は、”鶏肉の方がいいな”。
人間の舌は保守的で、食の好みは簡単には変わらない。
そう肝に銘じ、夫婦二人ともに美味しいと思える食事作りに腐心してきた幾年月。
夫の好きな粉もんの登場回数は多めながら、兵庫と長崎のハイブリッド型ともいうべき献立に落ち着きました。
今晩の夫のつまみ用に鰯の梅干し煮をこさえました。
青魚嫌いだとばかり思っていた夫が、通販の青魚真空パック献立セットを取り寄せていたのです。
なーんだそうだったのかと、鰯の煮付けが食卓にのぼることが増えました。
鰯の煮付けは私の大好物でもあります。青魚の中では鰯が一番好きで、中でも母の作るみりん干しに目がありません。
青魚を調理する際には臭みの元となる血合い(腎臓)をしっかり取り除くことが大切。中骨まわりに腎臓が残ってしまうと
臭みが出てしまいます。歯ブラシでゴシゴシ取るのが確実ですが、身の柔らかい鰯は手で丁寧にこすり、念入りに洗い流します。
圧力なべに酒、みりん、砂糖、しょうゆと水適宜を注ぎ、梅干しを入れて煮立て、丁寧にあくを取ります。
高圧で20分煮たら圧が自然に下がるのを待ち、落し蓋をして煮汁を好みの濃度まで煮詰めたら完成。